図面に残らない“余白”の話
- sekikensuzuki
- 1月22日
- 読了時間: 2分
建物づくりには、必ず図面があります。寸法や素材、配置や高さ。
完成に向けて必要な情報は、すべて図面に落とし込まれています。
けれど、図面だけでは伝えきれないことも、確かに存在します。
それが、図面には残らない“余白”の部分です。
たとえば、光の入り方。
同じ窓の大きさでも、周囲の建物や時間帯によって、感じ方は変わります。
図面上では同じでも、実際にその場に立ってみないとわからないことがあります。
音や風、においもそうです。車の音がどの程度届くのか、風が抜ける方向はどちらか。
暮らしの中では大切な要素ですが、数字だけでは表現しきれません。
現場では、そうした小さな違和感や気づきが生まれます。
「ここは少し余裕を持たせたほうがいい」
「この動線は、もう一度考えたほうがいいかもしれない」
そんな声は、図面の余白に書き込まれることはありません。
だからこそ、私たちは現場に足を運びます。
完成後の暮らしを想像しながら、図面に描かれていない部分に目を向けるためです。
余白とは、曖昧さではありません。
むしろ、その人らしい暮らしに近づくための余地だと考えています。
きっちり決めすぎないことで、生まれる心地よさもあります。
図面は大切です。
でも、図面だけで家はできません。
そのあいだにある、言葉にならない感覚や判断の積み重ねが、住まいの居心地をつくっていきます。
図面に残らない余白を、どう扱うか。
そこに、私たちの仕事の姿勢が表れるのだと思っています。



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